傾斜地とは勾配のある土地、崖地とは地表面が水平面に対し30度を超え高さ2mを超える急斜面を指し、建築や造成に法的制限がかかります。
結論として、傾斜地・崖地は鶴ヶ島・坂戸・川越でも売れます。相場は傾斜の程度で変わり、緩傾斜なら平坦地の70〜90%、中傾斜で50〜70%、急傾斜で30〜50%が目安です。鍵は造成費の概算、埼玉県のがけ条例(建築基準法施行条例第6条)、2025年7月施行の盛土規制法という3つのリスクを整理し、判断材料を揃えて売ることです。
この記事のポイント
- 相場は傾斜の程度で30〜90%
- 崖高2m超でがけ条例の対象
- 埼玉は2025年7月に盛土規制開始
- 擁壁の検査済証が売却の鍵
- 判断材料を揃えれば売れる
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傾斜地・崖地は売れる|相場は平坦地の30〜90%で傾斜の程度が分岐点
傾斜地・崖地は鶴ヶ島・坂戸・川越でも売却できます。売れるかどうかではなく「いくらで・どう売るか」の問題です。相場は傾斜の程度で大きく分かれ、造成で平坦化しやすい緩傾斜は平坦地の70〜90%、造成費がかさむ中傾斜は50〜70%、崖条例の制約を受ける急傾斜は30〜50%が目安です。まず自分の土地がどの区分かを把握することが第一歩です。
傾斜の程度別の相場:緩傾斜70〜90%・急傾斜30〜50%
傾斜地の相場は勾配で階段状に変わります。勾配15度未満の緩傾斜は造成で平坦化しやすく平坦地の70〜90%、15〜30度の中傾斜は造成費がかさみ50〜70%、30度以上の急傾斜は崖条例の制約を受け30〜50%が目安です(傾斜地・崖地の相場と造成費の解説)。同じ傾斜地でも、見晴らしの良さや日当たり、整形地に造成できる余地があるかで価格は上下します。崖地は高さ2m超かつ勾配30度超で多くの自治体が「崖」と定義し、建築に擁壁が求められるため、評価が下がりやすい区分です。
| 区分 | 勾配 | 平坦地比の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 緩傾斜 | 15度未満 | 約70〜90% | 造成で平坦化しやすい |
| 中傾斜 | 15〜30度 | 約50〜70% | 造成費がかさむ |
| 急傾斜 | 30度以上 | 約30〜50% | 崖条例の制約・造成困難 |
売れやすい傾斜地・売れにくい傾斜地の見分け方
同じ傾斜地でも、条件次第で売りやすさは大きく変わります。緩傾斜で接道が確保され、検査済証のある安全な擁壁が整っている土地は売れやすく、急傾斜・接道不良・擁壁の安全性不明の土地は売れにくくなります。傾斜地は南向き斜面なら日当たりや眺望に優れ、付加価値として訴求できる一方、北向きや土砂災害警戒区域内では敬遠されがちです。自分の土地がどちら寄りかを冷静に見極め、強みは伸ばし弱みは事前に手当てしておくことが、売却価格を守る土台になります。
圏央道沿線エリアでは法人・造成会社の需要も見込める
鶴ヶ島・坂戸・川越は圏央道鶴ヶ島JCTを擁し、住宅地・産業用地の双方で需要が底堅いエリアです。傾斜地でも、造成会社や法人を買主に想定すれば、個人向けには売れない土地が成約に至るケースがあります。実際、大手不動産会社に断られた崖地が、買主を法人に限定した売却活動で想定を上回る価格で造成会社へ売れた事例もあります。地価は若葉駅周辺で2024年公示地価が約18万円/㎡、鶴ヶ島駅周辺で11〜12万円/㎡(弊社調べ)と幅があり、立地の良い傾斜地ほど買い手の選択肢に入りやすい状況です。
正直なところ、傾斜地で一番もったいないのは「うちは崖だから売れない」と思い込んで何もしないことだと感じています。大手に断られても、買主を法人や造成会社に切り替えれば道が開けることは珍しくありません。売り先を間違えているだけ、というケースが現場では本当に多いのです。
造成費用の目安:高低差3mで約400万円・擁壁は㎡5〜15万円
傾斜地を平坦化する造成費用は、切土5,000〜10,000円/㎥、盛土3,000〜8,000円/㎥、コンクリート擁壁50,000〜150,000円/㎡が目安で、高低差3mの造成では約400万円かかる事例があります。造成して売るか現況で売るかは、造成費を売却額が上回るかで判断します。費用を概算できれば、買い叩きを防ぐ交渉材料になります。
工事別の単価:切土・盛土・擁壁の費用相場
造成費用は工事の種類ごとに単価が異なります。切土は1㎥あたり5,000〜10,000円、盛土は3,000〜8,000円、コンクリート擁壁は1㎡あたり50,000〜150,000円、間知ブロック擁壁は30,000〜80,000円が一般的な目安です(造成業者の見積もり事例に基づく相場解説)。高低差3mを造成する場合、切土・盛土に擁壁設置を加えて約400万円に達することもあります。実際の費用は地盤状況や現場条件、時期で変動するため、必ず複数の造成業者から見積もりを取り、概算の幅を押さえておくことが大切です。
| 工事内容 | 費用目安 |
|---|---|
| 切土(土を削る) | 5,000〜10,000円/㎥ |
| 盛土(土を盛る) | 3,000〜8,000円/㎥ |
| 擁壁(コンクリート) | 50,000〜150,000円/㎡ |
| 擁壁(間知ブロック) | 30,000〜80,000円/㎡ |
造成してから売る vs 現況で売るの損益分岐
造成して平坦地にしてから売るか、現況のまま売るかは費用対効果で判断します。造成で平坦化すれば買主の幅が広がり価格も上がりますが、造成費が値上がり分を上回ると赤字になるため、損益分岐の見極めが重要です。一般に、緩傾斜で造成費が安く済むなら造成後売却が有利、急傾斜で多額の造成費がかかるなら現況のまま造成会社へ売る方が手元に残ることもあります。売主が独断で造成を進めると過剰投資になりかねないため、造成前に不動産会社へ相談し、概算と売却見込みを突き合わせるのが安全です。
個人的には、造成は「やってから後悔する」ケースが一番多い領域だと思っています。400万円かけて平坦にしても、売値が400万円上がる保証はどこにもありません。特に急傾斜では、現況のまま造成会社に買ってもらった方が手元に残る計算になることも多く、先に造成する判断は慎重すぎるくらいでちょうどいいと感じます。
既存擁壁の検査済証があれば造成費は不要になる
すでに安全な擁壁が整っている傾斜地は、追加の造成費がかからず高く売れます。国の基準どおりに設計・施工され検査済証のある擁壁は、それ自体がマイナス要因にならず、相場どおりの価格で売却できます(擁壁のある土地の売却に関する解説)。逆に検査済証のない古い擁壁や二段擁壁は安全性が不明なため、買主が補強費用を見込んで値引きを求めます。構造資料が手元にない場合は、開発許可・宅造許可で築造された擁壁なら自治体への情報公開請求で図面や構造計算書を入手できる可能性があります。
造成費の概算が交渉材料になる
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埼玉のがけ条例:崖高2m超の下端から2倍以内は擁壁が必須
埼玉県のがけ条例(建築基準法施行条例第6条)では、がけ高2mを超えるがけの下端から水平距離がけ高2倍以内に建築・造成する場合、高さ2m超の擁壁の設置が必要です。この規制が買主の建築計画を左右するため、売却前に自分の土地が該当するかを把握しておくことが重要です。適用除外の条件もあわせて確認しましょう。
埼玉県建築基準法施行条例第6条の規制内容
埼玉県のがけ条例は、がけ崩れから人命と財産を守るための建築制限です。がけ高2mを超えるがけの下端から、がけ高の2倍以内の水平距離に建築物を建てたり敷地を造成したりする場合、高さ2mを超える擁壁を設けなければなりません(埼玉県建築基準法施行条例と解説)。ここでいう「がけ」は、地表面が水平面に対し30度を超える土地を指します。鶴ヶ島・坂戸・川越で傾斜地を売る際は、買主がこの擁壁設置費用を見込むため、価格交渉に直結する重要ポイントになります。
適用除外になる3つのケース:勾配30度以下・安全な擁壁・RC造
がけ条例には適用除外の規定があり、該当すれば擁壁設置が不要になります。勾配30度以下のがけ、構造耐力上支障がないと認められる既設擁壁があるがけ上、がけ下でも主要構造部が鉄筋コンクリート造で崩壊に安全な場合は除外されます。つまり傾斜が緩い、あるいは安全性が確認された擁壁がある土地は、規制を受けずに建築できる可能性があります。自分の土地が除外条件に当てはまるかは、地形図や測量図をもとに各市の建築指導課へ確認するのが確実です。除外に該当すれば、その事実が売却時の強力なアピール材料になります。
2m超の擁壁築造には建築確認申請と検査済証が必要
高さ2mを超える擁壁を新たに築造する場合、建築基準法上の手続きが発生します。2mを超える擁壁は建築基準法施行令で「工作物」として扱われ、建築確認申請と完了後の検査済証取得が義務づけられています。設計段階で構造計算を行い、地震や豪雨に耐える安全性を証明する必要があります。買主が建て替えやリフォームを検討する際、この手続きの有無が判断材料になるため、既存擁壁の検査済証の有無を事前に整理しておくと交渉がスムーズです。
現場感覚だと、がけ条例の適用除外に当てはまるのに、それを知らずに安値で手放してしまう売主が一定数います。勾配30度以下や安全な既存擁壁の有無は、建築指導課に図面を持って相談すれば数十分で確認できることもあります。この一手間を惜しむと、本来不要な「擁壁前提の値引き」を受け入れてしまいかねません。
2025年7月施行の盛土規制法:鶴ヶ島・坂戸・川越も規制区域に
埼玉県は2025年7月1日から県内全域を盛土規制法の規制区域に指定しました。鶴ヶ島市・坂戸市は県の管轄、川越市は中核市として独自指定済みです。盛土で高さ1m超・切土で高さ2m超の崖が生じる造成などには知事の許可が必要となり、傾斜地売却の前提が変わりました。買主の造成計画に直結するため、必ず押さえておくべき法改正です。
埼玉県は2025年7月1日から県内全域が規制区域に
盛土規制法により、埼玉県の傾斜地造成のルールが大きく変わりました。埼玉県は2025年7月1日から県内全域を宅地造成等工事規制区域または特定盛土等規制区域に指定し、規制を開始しています(埼玉県の盛土規制法に関する県政ニュース)。鶴ヶ島市・坂戸市は東松山環境管理事務所が窓口の県管轄、川越市は中核市として2025年5月26日に独自指定済みです。傾斜地を造成して売る場合、この規制の許可要否が買主の検討に影響するため、所在市の窓口を確認しておく必要があります。
許可が必要な造成:盛土1m超・切土2m超の崖が目安
盛土規制法では、一定規模以上の造成に知事の許可が必要です。盛土で高さ1m超の崖、切土で高さ2m超の崖、盛土と切土を同時に行い高さ2m超の崖が生じる工事などが許可対象になります(国土交通省の盛土規制法に関する案内)。盛土で高さ2m超、または造成面積500㎡超も対象です。許可申請には土地所有者全員の同意や周辺住民への事前周知、申請手数料が必要で、手続きに一定の期間と費用がかかります。傾斜地を造成前提で売る場合、この手間とコストが買主の負担となるため、価格に反映される点を理解しておきましょう。
過去の盛土も安全維持義務の対象・罰則も強化
盛土規制法は、これから行う造成だけでなく過去の盛土も対象とします。土地所有者は過去に行われた盛土も含め、災害が生じないよう土地を常時安全な状態に維持する努力義務を負い、罰則も大幅に強化されました。違反した場合の罰則は個人で懲役3年・罰金最大1,000万円、法人は3億円とされています。つまり傾斜地を持ち続けるほど安全維持の責任が重くなるため、活用予定がないなら早めの売却を検討する方が、長期的なリスクを抑えられます。安全性に不安がある場合は専門業者への相談が安全です。
2025年7月以降は造成に許可が必要
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傾斜地・崖地を売る5ステップ:擁壁調査から専門業者選びまで
傾斜地・崖地を売る手順は、①擁壁・地盤の状態確認、②がけ条例・盛土規制の確認、③造成費の概算取得、④売却方法の決定、⑤専門業者への相談の5ステップです。判断材料を順に揃えれば、買い叩きを防ぎ適正価格で売却できます。傾斜地の取扱実績がある地元業者を選ぶことが、価格と確実性の両方を高めます。
ステップ1〜2:擁壁の状態確認とがけ条例・盛土規制の確認
最初に行うのは、擁壁の安全性と法規制の確認です。既存擁壁の検査済証の有無・劣化状態を確認し、がけ条例の適用範囲と盛土規制法の許可要否を各市の建築指導課で調べます。擁壁の劣化は専門家でないと判断が難しいため、必要に応じてインスペクションのオプション契約で擁壁診断を依頼します。構造資料がなければ自治体への情報公開請求も選択肢です。これらを整理しておくと、買主に「安全な土地」であることを示せ、値引き材料を先回りで潰せます。
ステップ3〜4:造成費の概算取得と売却方法の決定
次に造成費を概算し、売却方法を決めます。複数の造成業者から見積もりを取って造成費の幅を把握し、造成後売却・現況売却・専門業者への直接売却の3ルートから最適な方法を選びます。時間をかけて高値を狙うなら造成後の仲介、早く確実に手放したいなら専門買取が向いています。傾斜地・崖地を扱う専門業者なら現況のまま買い取れるケースが多く、造成の手間を省けます。売り急ぎや擁壁の状態次第で最適解は変わるため、概算を手元に複数の選択肢を比較しましょう。
ステップ5:傾斜地の取扱実績がある地元業者を選ぶ
最後のステップは、傾斜地・崖地に強い業者選びです。がけ条例・盛土規制法の埼玉県の運用、造成会社や法人への販路を把握した業者ほど、傾斜地の隠れた価値を引き出せます。一般の不動産会社では「崖地で危険」と断られる土地でも、専門知識のある業者なら買主を法人に絞るなどの工夫で成約に導けます。株式会社ホームラボは鶴ヶ島駅徒歩3分に拠点を構え、注文住宅・リフォームまで手がける地域密着業者として、市街化調整区域や古家付き土地など他社が敬遠する物件を得意としています。まずは複数業者の査定で土地の現状を把握しましょう。
よくある質問
- 傾斜地・崖地でも売れますか?
-
売れます。相場は傾斜の程度で平坦地の30〜90%が目安です。大手に断られても、買主を法人や造成会社に絞れば成約するケースがあります。
- 傾斜地の売却相場はどのくらいですか?
-
傾斜の程度で変わります。緩傾斜は平坦地の70〜90%、中傾斜は50〜70%、急傾斜は崖条例の制約を受け30〜50%が目安です。
- 崖地の定義は何ですか?
-
地表面が水平面に対し30度を超え、高さ2mを超える斜面です。多くの自治体がこの基準で「崖」と定義し、建築に擁壁を求めます。
- 埼玉のがけ条例とは何ですか?
-
建築基準法施行条例第6条による建築制限です。がけ高2m超のがけ下端から2倍以内に建築・造成する場合、高さ2m超の擁壁が必要です。
- 造成費用はいくらかかりますか?
-
高低差3mの造成で約400万円が目安です。切土5,000〜10,000円/㎥、コンクリート擁壁50,000〜150,000円/㎡が一般的な単価です。
- 2025年の盛土規制法で何が変わりましたか?
-
埼玉県は2025年7月1日から県内全域が規制区域になりました。盛土1m超・切土2m超の崖が生じる造成には知事の許可が必要です。
- 擁壁があると売却に不利ですか?
-
検査済証があれば不利になりません。国の基準どおりの安全な擁壁は相場で売れますが、検査済証のない古い擁壁は値引き材料になります。
- 造成してから売る方が高く売れますか?
-
費用対効果次第です。造成費が値上がり分を上回ると赤字になるため、急傾斜では現況のまま造成会社へ売る方が手元に残ることもあります。
- 擁壁の構造資料がない場合はどうすれば?
-
自治体への情報公開請求が有効です。開発許可・宅造許可で築造された擁壁なら、図面や構造計算書を入手できる可能性があります。
- 鶴ヶ島・坂戸・川越で傾斜地は売れますか?
-
売れます。圏央道沿線で需要が底堅く、造成会社や法人を買主に想定すれば成約が見込めます。傾斜地に強い地元業者への相談が近道です。
まとめ|傾斜地・崖地は「3つのリスク整理」で適正価格を引き出せる

傾斜地・崖地は売れない土地ではなく、判断材料を揃えれば適正価格で売れる資産です。最後に要点を3行で整理します。
- 相場は傾斜の程度で30〜90%
- 造成費・がけ条例・盛土規制を整理
- 買主を法人に広げれば道が開ける
傾斜地・崖地を高く売る鍵は、造成費の概算、埼玉県のがけ条例(建築基準法施行条例第6条)、2025年7月施行の盛土規制法という3つのリスクを整理し、買い手の不安を判断材料で消すことです。鶴ヶ島市・坂戸市は県の盛土規制、川越市は中核市の独自規制という違いも押さえておきましょう。圏央道沿線で需要が底堅く、若葉駅周辺の2024年公示地価は約18万円/㎡(弊社調べ)と立地のよい傾斜地には十分な需要があります。緩傾斜なら造成後の仲介、急傾斜なら現況のまま専門業者へ。まずは擁壁の状態確認と複数業者の査定で、自分の土地の現状を把握しましょう。
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参照URL
- 埼玉県 建築基準法施行条例と解説(がけ条例)https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/183175/saitamakenjyourei_ver20250925.pdf
- 埼玉県 盛土規制法 県政ニュース(2025年7月1日施行)https://www.pref.saitama.lg.jp/a1102/news/page/news2025062701.html
- 国土交通省 盛土規制法について https://www.mlit.go.jp/toshi/web/morido.html
- イエウリ 擁壁のある土地の売却 https://www.ieuri.com/bible/kodate/2123
- なないろ土地査定 傾斜地・崖地の相場と造成費 https://7tochi.jp/column/keishachi-sale

